冠詞を理解しよう 第3回

投稿者: | 2021年4月3日

「coffee」や「tea」は数えられる?

第2回目の授業では、「wine」という名詞を例に、数えられる名詞(可算名詞)と数えられない名詞(不可算名詞)の考え方をご紹介しました。

今回はまず初めにみなさんに質問をします。

【質問】
①「Can I get you a coffee?」という文は文法的に正しいですか。
② 正しい場合、話し手は「coffee」を数えられるもの(可算名詞)として考えていますか、または、数えられないもの(不可算名詞)として考えていますか。
③ 上の英文はどのような意味ですか。

【正解】
①「Can I get you a coffee?」は文法的に正しい文です。
② 話し手は「coffee」を数えられるもの(可算名詞)として考えています。
③ 英文は「コーヒー(一杯)飲みますか」という意味です。

【解説】
「Can I get you a coffee?」の「コーヒー」は「a coffee」となっており、「ある、ひとつの」という不定冠詞「a」が使われていることから、話し手は「coffee」を数えられるもの(可算名詞)として捉えていることが分かります。

では、話し手は「a coffee」でどのようなイメージを抱いているのでしょうか?

もうすでにお分かりの方も多いと思いますが、「a coffee」=「a cup of coffee」ですね。 


「コーヒーは液体だから不可算名詞で、不定冠詞の「a」をつけるのは文法的に間違い」と考えた方は前回の授業を復習しましょう。

前回の授業でご紹介した通り、レストランやバーでワインを注文するときに「Can I have a red wine, please?」と言うように、カフェでコーヒーを注文する場合にも「カップに入ったコーヒー」=「a coffee」と考えることで、次のように注文できます。

 Can I have a black coffee, please?
 ブラックコーヒーをひとついただけますか。

 
 複数であれば、
 Two black coffees, please.
 ブラックコーヒーをふたつください。


また、tea(紅茶)も同じように「カップに入った紅茶」=「a tea」と考えるならば、次のように注文できます。

 Can I have a tea, please?
 紅茶をひとついただけますか。


 Two teas, please.
 紅茶をふたつください。


一方、話し手がcoffeeやteaを数えられないもの(不可算名詞)としてイメージした場合は、

 Would you like tea or coffee?
 紅茶かコーヒーはいかがですか。


または、次のように「a cup of ~」という表現を用いることもできます。

 Would you like a cup of tea or coffee?
 紅茶かコーヒーを1杯いかがですか。

なお、ティーポットで紅茶を頼みたい場合は

 Can I have a pot of tea, please?

 ※「pot」とは「ティーポット」の意味です。

また、以下の文でもcoffeeやteaを数えられないものとしてイメージしています。

Tea and biscuits will be provided at 3pm.
紅茶とビスケットが午後3時に提供されます。

Let’s talk over coffee.
コーヒーを飲みながら話そう。

コーヒーや紅茶といえば、液体なので=「不可算名詞」と覚えている方も多いと思いますが、ワインと同じように、話し手のイメージによっては「可算名詞」にもなることを覚えておきましょう。