冠詞を理解しよう 第6回

「butter」の数え方

前回の授業では、料理の材料である次のものを「純粋不可算名詞」として紹介しました。

rice(米) butter(バター) salt(塩) pepper(コショウ) honey(ハチミツ)flour(小麦粉) spaghetti(スパゲティ) 

例えば、「butter」(バター)は純粋不可算名詞なので、「one butter」や「two butters」のように数えることはできません。

そこで、今回は「butter」の量を示すための色々な英語表現をご紹介しましょう。

まず、スーパーで売られている個包装のバターは「block butter」(ブロックバター)と呼ばれ、「block」の数でバターの量を表します。

a block of butter  two blocks of butter

なお、日本やヨーロッパでは上の写真のようにブロック型のバターが一般的ですが、アメリカで販売されている「細長い棒状のバター」は「a stick of butter」と呼ばれ、「stick」(スティック)の数でバターの量を示すことができます(複数の場合は「sticks of butter」)。

次に、欧米ではマーガリンと同じような容器に入ったバターもあり、それらのバターは「tub」(タブ)の数で量を示すことができます。

a tub of butter  two tubs of butter

また、スプーンですくいとったバターの小さな塊は「a knob of butter」と言います。「door knob」(ドアノブ)の「knob」と同じ単語です。

a knob of butter two knobs of butter

最後に、ホットケーキの上に乗っているような四角く平らに切り取られたバターは「a pat of butter」と言います。

a pat of butter two pats of butter

「butter」は純粋不可算名詞ですが、上記の色々な表現で量を示すことができるということを覚えておきましょう。

冠詞を理解しよう 第5回

純粋不可算名詞とは?

前回の授業では、「water」や「milk」は常に数えることができない「純粋不可算名詞」であるというお話をしましたが、今回はその他の純粋不可算名詞をご紹介します。

料理の材料である次のものは常に不可算扱いです。

rice(米) salt(塩) pepper(コショウ) butter(バター) honey(ハチミツ) flour(小麦粉) spaghetti(スパゲティ) 

例えば、「rice」は純粋不可算名詞=常に数えることができないため、「one rice」や「two rices」と言うことはできません。

そこで、「粒」を表す「grain」という単語を用いて米の量を表現します。

a grain of rice(一粒の米) two grains of rice(二粒の米)

次に、「茶碗一杯のごはん」は「a bowl of rice」と言います。

 Can I have a bowl of rice, please?
 (茶碗一杯の)ご飯をもらえますか?


また、英語で「おにぎり」は「rice ball」(ライスボール)と言います。

「rice」は数えられませんが、「ball」は数えられますので「rice ball」は次のように数えましょう。

a rice ball(おにぎり1個)two rice balls(おにぎり2個)

 I usually have rice balls for lunch.
 普段はお昼におにぎりを食べます。


なお、英語で「ご飯茶碗」は「rice bowl」と言いますが、「rice bowl」と「rice ball」(おにぎり)は発音が違いますので注意が必要です。


「rice bowl」と「rice ball」の違い、聞き取れましたか?

冠詞を理解しよう 第4回

「water」や「milk」は数えられる?

1回目2回目の授業では、wine、coffee、teaという飲み物を例に可算名詞と不可算名詞の考え方を解説してきました。

今回は、water(水)とmilk(牛乳)について考えてみましょう。

これまで授業にご参加いただいた皆さんであれば、「waterやmilkは液体だから=不可算名詞」という考えは捨てることができているのではないでしょうか。

「グラスに入った水や牛乳なら“a water”や“a milk”のように数えられるんじゃないの?」という考え方は正解です。

しかし、ここで注意していただきたいことは、英語のネイティブスピーカーにとって「a water」や「a milk」という表現は一般的ではないということです。

というのも、英語のネイティブスピーカーは「カフェやバー、レストランなどのメニューに載っていて、容器に入った飲み物」を数えられるもの(可算名詞)とし、注文する際に「ひとつ」や「ふたつ」という考え方をするからです。 

外国のレストランなどではボトルに入った水を有料で提供するところもありますが、基本的に「water」といえば、蛇口をひねると出てくる水や、ダム、プールなどの水を想像します。

牛乳に関しても、牛乳を提供している喫茶店もありますが、基本的に「milk」といえば、牛から絞ったミルクを想像します。

このように、際限なく手に入る液体は「数えられないもの」(不可算名詞)としてネイティブスピーカーは考える傾向にあります。

そのため、「a water」や「a milk」という表現は不自然に聞こえるのですね。

そこで、水や牛乳の量を示したい場合は次のように表現します。

a glass of water(コップ1杯の水) a glass of milk(コップ1杯の牛乳)
a bottle of water(ボトル1本の水) a carton of milk(牛乳1パック)

「a carton of milk」の「carton」(カートン)とは、牛乳の「紙パック」のことです。

一方、次のような飲み物は、カフェやバーのメニューに載っていて、さまざまな種類があると考えられるため、そのうちの「ひとつ」を表したい場合は「a coffee」や「a tea」と同じように数えられるもの(可算名詞)として考えることができます。

beer ビール: a beer = a glass of beer
vodka ウォッカ: a vodka = a shot of vodka
latte ラテ: a latte = a cup of latte
Coke コーラ: a Coke = a glass of Coke

ちなみに「water」や「milk」のように「常に数えられないもの」として扱われる名詞は「純粋不可算名詞」と呼ばれます。「water」と「milk」以外に、どんなものが純粋不可算名詞であるかは次回ご紹介します。