「wine」は数えられる?
第1回目の補講では、「sugar」という名詞を例にして、話し手がどのような「sugar」をイメージしているかによって「sugar」が可算名詞にも不可算名詞にもなるというお話をしました。
今回は「wine」(ワイン)を例に考えてみます。
まずは以下の文を読んでください。
Wine makes me sleepy.
(ワインを飲むと眠くなる)
Do you enjoy wine?
(ワインは好きですか?)
Can I get you some more wine?
(ワインをもっといかがですか)
I drink alcohol but only wine and champagne.
(お酒はワインとシャンパンだけ飲みます)
Gin and white wine are used in the sauce.
(ジンと白ワインがソースに使われています)
上の例文では、話し手はいずれもwineを数えられないもの(不可算名詞)として考えています。
ワインは液体なので1つ、2つのように数えることは難しいからですね。
このようにwineを数えられないもの(不可算名詞)として考えたときにwineの量を示したい場合は、「glass」(グラス)や「bottle」(ボトル)の数で表現します。
John poured her a glass of wine.
ジョンは彼女にワインを1杯注いだ
She brought a bottle of wine to the party.
彼女はパーティにワインを1本持ってきた
また、レストランやバーでワインを注文する場合は次のように言います。
Can I have a glass of white wine, please?
白ワインを1杯もらえますか。
Can I have two glasses of red wine, please?
赤ワインを2杯もらえますか。
この場合、glass(グラス)という単位でワインの量を表しているので、話し手はwineを数えられないものとして捉えていることが分かります。
また、赤ワインを1杯注文したい場合に「a glass of ~」という表現を使わずに、次のように言うこともできます。
Can I have a red wine, please?
赤ワインをひとつもらえますか。
この場合、「a」(ある、ひとつの)という不定冠詞を使っていることから、話し手はwineを1つ、2つのように数えられるもの(可算名詞)として考えていることが分かります。
これは一体どういうことでしょうか?
この場合に話し手は、
「a red wine」=「a glass of red wine」(1杯の赤ワイン)を意図しています。
グラスに入ったワインなら1つ、2つと数えることができますね。日本語でも居酒屋で飲み物を注文するときに「赤ワイン1つと生中1つ」のように言うことがあると思います。
このように、レストランやバー、カフェなどのメニューに載っている商品・品目としての「グラスワイン」は数えることができます。
さらに、ワインは「カリフォルニアワイン」や「チリワイン」のように生産地で区分することもありますが、その場合にも「wine」を数えられるもの(可算名詞)として考えることができます(=単数形にも複数形にもなる)。
例えば、チリ産のワイン(チリワイン)について話す場合、チリワインの中でもさまざまな銘柄がありますので「チリワイン全般」を指したい場合は「wine」を複数形の「wines」にすることができます。
例:Chilean wines are superb.
チリワイン(全般)は素晴らしい。
また、ワインは「甘口」や「辛口」のように、テイストの違いで表現することがありますが、この場合も可算扱いになります。
a dry white wine 辛口の白ワイン
a sweet red wine 甘口の赤ワイン
ワインは液体なので=不可算名詞と考えてしまうかもしれませんが、sugarと同じように、話し手のイメージによって可算名詞になったり、不可算名詞になったりするので注意が必要です。
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