「water」や「milk」は数えられる?
1回目と2回目の授業では、wine、coffee、teaという飲み物を例に可算名詞と不可算名詞の考え方を解説してきました。
今回は、water(水)とmilk(牛乳)について考えてみましょう。
これまで授業にご参加いただいた皆さんであれば、「waterやmilkは液体だから=不可算名詞」という考えは捨てることができているのではないでしょうか。
「グラスに入った水や牛乳なら“a water”や“a milk”のように数えられるんじゃないの?」という考え方は正解です。
しかし、ここで注意していただきたいことは、英語のネイティブスピーカーにとって「a water」や「a milk」という表現は一般的ではないということです。
というのも、英語のネイティブスピーカーは「カフェやバー、レストランなどのメニューに載っていて、容器に入った飲み物」を数えられるもの(可算名詞)とし、注文する際に「ひとつ」や「ふたつ」という考え方をするからです。
外国のレストランなどではボトルに入った水を有料で提供するところもありますが、基本的に「water」といえば、蛇口をひねると出てくる水や、ダム、プールなどの水を想像します。
牛乳に関しても、牛乳を提供している喫茶店もありますが、基本的に「milk」といえば、牛から絞ったミルクを想像します。
このように、際限なく手に入る液体は「数えられないもの」(不可算名詞)としてネイティブスピーカーは考える傾向にあります。
そのため、「a water」や「a milk」という表現は不自然に聞こえるのですね。
そこで、水や牛乳の量を示したい場合は次のように表現します。
a glass of water(コップ1杯の水) a glass of milk(コップ1杯の牛乳)
a bottle of water(ボトル1本の水) a carton of milk(牛乳1パック)
「a carton of milk」の「carton」(カートン)とは、牛乳の「紙パック」のことです。
一方、次のような飲み物は、カフェやバーのメニューに載っていて、さまざまな種類があると考えられるため、そのうちの「ひとつ」を表したい場合は「a coffee」や「a tea」と同じように数えられるもの(可算名詞)として考えることができます。
beer ビール: a beer = a glass of beer
vodka ウォッカ: a vodka = a shot of vodka
latte ラテ: a latte = a cup of latte
Coke コーラ: a Coke = a glass of Coke
ちなみに「water」や「milk」のように「常に数えられないもの」として扱われる名詞は「純粋不可算名詞」と呼ばれます。「water」と「milk」以外に、どんなものが純粋不可算名詞であるかは次回ご紹介します。